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その十六:KGB・OBの受難

お久しぶりっす。タラネンコっす。

土曜の午後、いつものようにソファカバーに潜って昼寝してたら、ピンポン。訪問者には常に警戒が基本っすから、昼寝中断で、ズカズカ入ってきた不審人物を偵察に(画像1)。その女、いきなりカバンからメタリックな物体を取り出し、「きゃ〜、タラネンコさんだ〜!!」と黄色い声をあげ、武器とおぼしきソレをオレ様に向けやがるんすよ。じょーだんじゃねーっつの。威嚇しても、喜びやがるんで、こんなヤバイやつにかかわってる場合じゃないと判断し、ひとまずベッドの下に転進(画像2)。退却ちゃいますからね、転進っすからねっ。

ここから、ピンポンが鳴るたびに同タイプの敵が乱入っすよ。「きゃ〜っ!!」で、武器突き出すの連続。かつて、西側の諜報部員には「一撃必殺タラネンコ」って怖れられたオレっすけど、なんか、常識が通じない一味相手に、どーせーっつーんすかね? そんなん、KGBの通信教育のテキストにも対処方法、載ってなかったすよ。オレ、ベッドの下に隠れてんの、全然好きじゃないんすけどぉ、和室とリビング乗っ取られて黙っているオレじゃないんすけどぉ、ひとまず、潜伏して今後の戦略を立てるしかないじゃないっすか〜。くそぉっ。

   

あっちからは嬌声が聞こえてくるんすよね〜。なんか楽しそうだし、いい匂い(画像3)もしてくるし、様子を見に行きたいと思って、時々廊下に出るんすけど(画像4)、その度にヤツラ、小型の武器持ってワラワラと湧いてくるんすよ。武器の数でも、戦闘員の数でもこっち負けてっすから、また転進して、相手の隙を見ては、一撃くらわしてやれと突進するんすけど、どいつもこいつもミョーにオレ様の動きを読んでやがるんですわ。アイツラ、日ごろ、どんな特訓してんすかねっ。オレだって、通信の実践スクーリングのときにイワノフ教官に叩き込まれた教えを守って、絶対に敵に背中を見せずに攻撃と転進を繰り返してたんすけどね〜(画像5)、なんかね〜、ベッドマットめくってまで武器突き出すヤカラもいるんすよ。ヒトんち来て、何考えてんすかねっ。

5時間もオレんち占拠したあげく、やっとヤツラ、退却しましたよ。けっ、オレ様の怖さがやっとわかったかっ。おせーんだよっ。平和を取り戻したリビングで、サエコポンが「タラ、これ、くるみちゃんからのプレゼント」と布袋をホイッと投げたんす。何がくるみちゃんだっ、来たのはバカ女の団体じゃねーかっ、こんなものっ、こんなものっ、こうしてくれるっ(画像6)。でも、なんか、キャットニップの匂いの向こうに、かすかに妻くるみの香りがするような・・・(画像7)。うっ。

今日になって、町内の掲示板にこんなものがっ↓。
タラネンコをバカにして、タダで済むと思うなよっ。

その十五:メジャーへの道

 ちわっ。タラっす。
 オレ、前の事務所、ろくな仕事くれないんで頭来て、社長と殴り合いになったりして、結局独立したんすよ。やっぱ、自分のやりたい仕事がやりたいじゃないっすか。個人事務所で人がいないんで、営業まで自分でしたんすけど、最初の頃はそりゃひどい目に合いましたわ。

 知り合いの広告代理店のヤツに「名古屋の仕事なんだけどね、君にぴったりだと思って頼んであげたよ」て言われて、喜んで会場に行ってみりゃ、出されたのが着ぐるみっすよ。それもカモノハシ(画像1)のっ。重いわ、暑いわ、腹たつわ。万博の会期中ずっとって話だったんすけど「アイソが悪い」ってケチつけられて三日でクビ。ま、クビで結構っすけどね。オレ、握手に来たガキのクビ、片っ端からしめちゃってましたから。わはは。

 

 その代理店のヤツのダチが「おまえ、あいつにゃ騙されたなぁ。気ぃ悪くすんなよ。ポスターの仕事でよかったら回すよ」って言うんで、行ったら今度はコレ(画像2)。ち。ま、地域限定で猫並区内にしか貼らないって話だから、くるみにバレなきゃいいか。

 その後になんとか取れたのが、雑誌のモデル。モデルっつっても、ほれ、美容院に置いてあるよなヘアスタイル見本で、いろんな髪型で出るヤツ。オレ的にはパンチとかアイパーとか一度やってみてもいいかなと思ってオッケーしたんすけどね。「タラネンコさん、色白で鼻筋通ってるから、絶対金髪が似合いますよ。まずはそれで行きましょ」って話になって、「そっかな〜」と思って鏡の前に座ってたら、これ(画像3)。「ざけんじゃね〜よ」と帰ろうとしたら「スラリとした体型の人にはロングヘアがいいですよね」って、引き止められて、「それもそうか〜」と思ったらこれ(画像4)。「オレを誰だと思ってんだよっ」とタンカ切ってたら「タラネンコさん、昔、映画に出てたビヨルン・アンドレセンに似てますよね。ビヨルン君って究極の美少年ですよ〜。あなたもビヨルン・ヘアにってのどーです?」って言いやがんの。「え?ビヨルンってどんなヤツ?」って聞いたら、こんなヤツ(画像5)。オレ(画像6)、パツキン専門かよっ!

     
 これこそ、くるみの目に触れかねんって、アパートで布団かぶってたとこに電話がリンリン。いっや〜、チャンスってどこに転がってるかわかんないもんっすね〜。たまたまスタジオに遊びに来ていた映画監督が、オレのパツキン姿に目を留めてたんっすよ。その監督、ベルバラの映画化企画中だったんす。「ベルサイユのバラ」っつったらおフランスでパツキンで決まりっすよね。オレ、オスカルっすよ。やっぱし、わかるヒトにはわかるんすね〜、オレ様の良さ〜♪

 し、しっかも〜「今回のベルバラは斬新な企画でな。オスカルをオスで、アンドレをメスでいくんだが、アンドレ役に向いた容姿端麗のメス知らんかね?」って監督が〜っ。オレ、くるみがジュエリーのデルモやってた頃の写真、大事に定期入れにしまってあったんで、見せたんすよ。監督、それ見て「私が探していたのは、このコだっ!」って。そっから急いで千葉の実家に電話っ。

 この前、ポスター(画像7)撮りで久々にくるみに会ったんすけど、相変わらずチャーミングなんすよね。これから撮影の間、ずっとくるみと一緒かと思うと、もー、オレ、しみじみ嬉しくて、嬉しくて・・・(泣)。

 でもね。ちょっと気になることもあるんすよ。ベルバラの配役に露地組のヤツラが混じってるんす。みょーに高びーなヤツがアントワネット役、白黒のデブがフェルゼン役。露地組って一家で深夜枠のバラエティーやってる連中なんすけどね〜。ここのジャーマネのNって女、オレの宿敵なんすよ。Nのバカ、当然、撮影について来るんだろうなぁ。オレ、Nとは今んとこ、二戦ニ勝なんすけどね、何戦しても勝つ自信あるんすけどね。戦いの一部始終をチーフカメラマンのTじあに撮られて、それも映画用高画質カメラで撮られて、これが「ベルバラ・メイキング・ビデオ!」とか題つけられて売られたりしてね。あっりそー。

 爪、伸ばしとこっと。

その十四:目撃

 お邪魔します。丸い目に丸い身体でアメショなのにタラネンコの姉をやってる者です。4月14日の夜のことです。10時過ぎだったと思うんですけど、私のパソコンにメールが入ったんです。
 「ガブリエル生誕祭へのお誘い」
 確か、そういうタイトルでした。最近怪しいメール、多いですから、こういうのは普通、削除なんですけど、差出人が「タラネンコ企画」だったので開けました。あ、タラネンコ企画ですか? 弟、最近独立して自分の事務所立ち上げたんです。事務所の名前です。メールの内容は会場への地図と、印刷用クーポンだけ。あと、「クーポン持参の方に限りお食事無料♪」ってありました。

 はい、行きました。夜中に千葉から猫並区の会場まで。そこ、弟が結婚を機に借りたアパートなんです。でも、お嫁さん、このアパートで見かけたことないんですけどね。ま、小姑が口を出すことじゃないですけど。

 ドア開けようとして、私、ノブに伸ばした肉球が止まりました。声というか物音というか、異様な雰囲気がドア越しに漏れてくるんです。
 「がぶっ!」「しゃーっ!」「ばふっばふっ!」

 見つからないようにそっと入って、物陰から様子を伺いました。中央の台に弟が乗ってて、なにか模範演技をしているようなんです。飛び上がってはガブガブ・・・。あのコ、子猫のころから問題行動が多くて・・・。で、集まったほかのネコが練習しているんです。これ、新興宗教かなんかでしょうか?皆、精神的にイッちゃっているみたいで、怖かったです。なにか同じようなお題目を唱えながら、ガブガブしてました。「オタンジョービッ、ガブッ」とか「オデメトッ、バフバフッ!」とか聞こえましたけど、この行動とどういう関係があるんでしょうか?新手の呪いですか?

     

   しばらくしたら、参加者に食べ物が出されました。クーポンと引き換えにササミが半分。少ないです。そのササミのお皿に顔を突っ込んでいるタラネンコの隣にうちのバカがいました。あ、最近、同居してるネコのことです。え? カレシなんかじゃないですっ。同じ家に勝手に住んでるだけですっ。失礼なこと言わないでくださいっ。

 

 実は、私もクーポン持ってたんですけど、隠れてたのに、いきなりクーポン差し出すのもカッコ悪くて・・・。それにあのバカもいるし・・・。このまま帰ろうと入り口にそっと戻ったら、もう一匹、覗いているコが・・・ 。タラネンコの義姉なんですよ。嫁に頼まれて様子を見に来たんでしょうか? 私、会釈だけして、そのコの脇をすりぬけて 、ええ、相手も幅があって狭かったです。そこを抜けるときに気がついたんですけど、彼女も持ってました、印刷したクーポン。

その十三:本来の趣旨

 そもそも「よいしょの舘」と言うコーナーは「掲示板をドンブラコと流れて消えていくお宝画像をたまには拾ってみよう」という桃太郎のおばあさんの思いにも似た趣旨で設立されたものでした。しかしながら、振り返って見れば、たくさんのおいしい画像を拾い損ねた気がいたします。拾った画像を並べ替えてネタにして、笑いを取ろうという方向に軸がブレたのがいけません。ネタを思いつかなかった場合は、いかに良い画像であろうとも見逃すという本末転倒な結果に。

そこで、初心に戻り、拾って来ました、お宝画像。とらっちです。野良だったとらっちがK〜さんのお店にふらりと現れてから、およそ二年。ゴハンをもらい、ハウスを設置してもらい、店番をしたり、時には病院に運んでもらったり、・・・もともと白血病キャリアだったそうですが、最後は腫瘍に掴まりました。2005年3月14日没。享年不明。

このリースに入って啼いているとらっち画像が大好きなので、何がなんでも拙サイト内に保存したくなり、Wにゃんさんちの掲示板に貼ってあったのを、ぽちっと右クリック・・・名前をつけて画像を保存・・・っと。 とらっちは永遠に不滅です。

は? 何か?

 

その十二:不満

ちわっ。タラっす。
 オレ、もう事務所移ろうかと思ってるんすよ。「いいね〜、ユー、任侠路線か、スパイ物でいけるよ〜」って社長に言われて入ったんすけどね、今の事務所。なんか、めっちゃ方向がズレてんすよ、最近。
 知ってます?「露地猫」って番組? 深夜枠でやってる、やっすいバラエティなんすけどね。「ねこの空似」ってコーナーに使ってくれるって言ったんで、オレ、ヒガシとかナカタとかの写真、前もって提出してたんすよ。収録んときはどういう仕上げになるかわかんなくて、放映、楽しみにしてたら、もう信じらんないっすよ、カモノハシッ!! このオレがイロモノ扱いっすかっ!事務所、ナニ考えてんだよっ。止めろよっ。

 年末にもね、雑誌の企画で「ネコ様だっぺ!」ってグラビアもんやるから出ろって言われたんす。韓国の「ぺ」ってのに似てるネコを集めるからってぇ〜。自分、甘い雰囲気じゃないの、わかってたんすけど、ま、端正な顔立ちなら誰でも扮装すりゃ、似るって話だったんでね。撮影に行きましたよ。オレ(画像1)の出来はまーまーだったと思うんすけどね。そいで、雑誌の発売日っ、本屋の床にへたり込みましたよっ。ひでーラインアップ。オ、オレ様はこいつらと同レベルなんすかっ!!
 最初のヤツ(画像2)だけじゃん、かろうじてマトモなの。 はん?韓国人に目の青いヤツ(画像3)はいねーつの。バカか、おめ。 おい、そこのツチノコ体型っ(画像4)、テメーはおとなしく印籠つついて遊んでろっ!水戸黄門、降ろされたんかいっ!

   

 じじい(画像5)すっこんでろっ! 風呂上り(画像6)で暴れてんじゃねーっ!! メガネ(画像7)曇ったら拭かんかいっ! そら、カトちゃん(画像8)で「ぺ」っ!!

    

 はぁ、はぁ・・・。
 ぜ、ぜったい、やめてやる。  

その十一:愚痴

 こんばんは。タラです。  オレ、コワモテで売ってるんす。この世界、イメージ、大事じゃんすかぁ。サイトで主役張ってるネコって「あたしぃ〜、いっつもわがままって言われるけどぉ〜、家族のアイドルなんですぅ」みたいの多いっしょぉ?それじゃもうメジャー無理っすよね。あっちこっちでキャラかぶってますからぁ。オレ、壁を背にして立ってたいんすよ。ゴルゴ13つー雰囲気でぇ〜。そいでもって、若い女のコにニャーニャー言われてぇ、お持ち帰り放題みたいなぁ〜。なのに、これっす↓

 ファンの人に「タラちゃん、すんなりしたいい筋肉〜、手足長くて素敵〜、バレエでプリンシパルいけるわ〜。鱈川哲也よ〜」っておだてられてぇ、その気になってぇ、練習したんすよ。オレ、器用なんで、なんでもそこそここなせるんでぇ。
 会場が浅草ってぇのが、怪しいとは思ったんすけどぉ〜、着いたら、ゴッドハンドな衣装さんにぃ、いきなり着せられちまいました、紫のチュチュ。でもって、松の屏風バックの舞台に放り出されて、いきなり緞帳がどどどーん、すよ。
 踊りましたよっ。もうヤケッ。オレ、バラエティに方向転換っすかぁ〜。バレエ公演なのに、二部では野太い女が演歌でコブシぶちまわすんすよ〜(泣)。これまでのオレの戦略、どうしてくれるんすかぁ〜。この始末、誰がどうとってくれるんすかぁ〜。この一件がくるみにバレでもしたらぁ〜(再泣)

その十:偵察飛行


 えっと〜、僕、高〜い高〜い気候のいいとこで毎日遊んで暮らしているんですが、この前、下の方からお線香の煙(画像1)が立ち昇って来て、それをクンクン嗅いでいるうちに、地面近くまで降りて来てしまいましたぁ。あるヒトの姿を探して、あちこち飛んだんですが、いや〜、こっちは暑いですね。ついつい水のあるところに身体が向かってしまいます。
 ススススス。
 
 

    ははは、水泳教室だ。このネコ(画像2)は習いたてですね。まずは蹴伸びの練習、練習。あ、こっちの(画像3)は爬虫類みたいな泳ぎだ〜。ん? なんかこいつ気になるな〜。なんだろう? 僕は温厚なネコなんですけど、こいつにはなぜかムカつきます。ふんっ。あっち行こっと。
 ススススス。
   

    おぉっ、大きなプールだ〜。すごい〜。観客もたくさんいて賑やかだなぁ。あ、シンクロ大会やってんだっ。シングル演技のこのネコ(画像4)、顔が怖いよ〜。僕は弱気だから、ちょっとダメかも。あ、デュエットだ。このコ達、双子(画像5)かなぁ〜。よく似ている。あれ? 動きは合ってるんだけど、やけにスローだ〜。おっ、今度の二匹(画像6)はスピードがあるぞ。う〜ん、でも動きが合ってない〜。右のコが激しすぎるのかな。そもそもネコに協調性を求めるのは間違ってるもんな。おおおおおっ、四匹(画像7)出てきた〜、うわ〜すごい〜。きれいだな〜。ネコの習性に逆らったこんなスポーツで、よくここまで頑張ったな〜。パチパチパチ。
 ススススス。
  

    あ、海岸に出た〜。のどかでいいな〜。日向ぼっこに、ボール遊び!これこそネコ向けだよ〜。げげげっ。あそこに周辺から完全に浮いた三匹(画像8)がいるぞ。すご〜。ネコしごいて根性つけようって、それ、ちょっと無理かもな〜。ありっ?砂浜(画像9)では何かの罰ゲームかなぁ〜。ネコに体罰は意味ないのになぁ〜。
 ススススス。
ああああああ〜。麦わら帽子の可愛い女のコ(画像10)がいる〜。こんなコとお友達になりたいなぁ〜。あれ? さっきの爬虫類風が話しかけてる・・・。いやだな。むかつくな。あはっ♪ 殴られてる。やーい。やーい。
 ススススス。
    

    あのヒト(画像11)が見つからないなぁ。「ちょっと待っててね。すぐ迎えに行くから」って言ってたのに、昔っからちょっといい加減なとこあったもんな〜。ま、いいや。何匹か虹の橋直行のネコ(画像12・13・14・15)を見かけたから、またあっちが賑やかになるし。水難事故ってホントに怖いねっ。
 ススススス。スワーッチ!!

  
 
by ポン太@草葉の陰@虹の橋(画像16)
ご協力:イタネコ@恐山(画像17)
   
その九:日記

五月十七日・月曜(先勝)
晴れのちどしゃぶり


 今日はうちの組の若頭、とらのすけ(画像1左)の結婚式だった。立場上、俺とくるみが仲人ということになったのだが、いやはや、どっと疲れた。なぜ疲れたかというと、新婦の親族がどいつもこいつも、一癖も二癖もありそうな面々だったからである・・・。
 新婦(画像1右)は大阪で幼稚園の教諭をやっているという話だった。それが証拠にその幼稚園から同僚代表の先生(画像2)が来てスピーチをし、その後、園児代表(画像3)の歌と花束贈呈まであった。いかにも、である。が、そこがすでに怪しくないか?わざわざ幼稚園のガキが大阪から出て来るか、普通?あれはカモフラージュに違いない。いったいなんだのだ、あの女の出目は?
    

     新婦の両親は来なかった。だが、親代わりだという伯母が三匹も出て来た。一匹(画像4)はアラブから「ご祝儀代わりに」と原油満載のタンカーを曳航して現れ、一匹(画像5)はアフリカから「祝いの膳に」と象を連れてきた。最後に来たのはこれまたモスリムな格好の怪しげな女(画像6)で「リビングの敷物にでも」とライオン連れである。そんなものを敷物にしろという発想は同業者か?
 新婦の伯父というのも二匹来た。若い方(画像7)はベガス在住のようだが、「新居を買う足しに」とカバンから無造作に金塊を取り出した。マフィアがらみではないだろうな?いつぞやのヤバい橋がニャンビーノ一家の逆鱗に触れてはおらぬかと不安になった。伯父のじじいの方(画像8)、最初は特に怪しいとは思わなかったのだが、よく見ると三年前の出入りで撃たれて死んだはずのニャマグチ組の大番頭に似ている。ま、まさか・・・・?

    

     引き換え、とらのすけ側の親族はしょぼかった。両親も兄弟もいないのはわかっていたが、親族席に座ったのはたったのニ匹。そのうちの若いの(画像9)は、マタ従弟だと言うが、伊豆の小島から手こぎ舟で出てきたらしい。「お祝いの膳に」とブリをさげて来た。象の百倍マシだ。純朴そうでいいヤツだ。うちの組に拾ってやってもいい。オヤジ顔のヤツ(画像10)は伯父貴らしい。露天商をやっていると聞く。来るなり酒臭くて閉口したが、根は善良な小者だろう。こっちは打ち捨てておこう。新郎の親族席がガラガラなので、とらのすけの高校の同級生というの(画像11)が一匹座らされていたが、女である。とらのすけは男子高だったはず。不審に思って見ていたら、こいつ「よろしく〜♪」と桃色の名刺を差し出しやがった。クラブ・オニャンコ。住所が新宿二丁目ニの二。そういうことかい。

     

     出席者だけでも疲れるのに、余興にヘビ使い(画像12)が出たときには「刺客か?」と脇の下から汗が吹き出た。アラブの世界では毒蛇に噛ませてといて事故ですませるというのが常套。ああ、気疲れした。その上、司会の女(画像13)の声がデカくて、いちいち神経に障った。おまえはマイクいらんだろう。地声でも充分うるさいっ。
 トドメは、妻のくるみ(画像14右)だ。初仲人で張り切って化粧をしていたので、ついつい「ちょっと濃いんじゃない?」と言ったら、ネコパンチが飛んできた。披露宴の後、千葉の実家に戻ったきりである。俺(画像14左)の前途は多難だ。

メモ:NB×2、ややGB×1
         

サエコポンの怠慢により作業進まず。
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