この酷暑なのに、タラときたらエアコンがあまりお好きではなく、涼しいリビングから出て、玄関の下駄箱の上で昼寝をし、来訪者をいきなりビビらせたりしている。

　「ぎゃっ！　こ、これ、毛の生えたオキモノかと思いました」
　「いえ、毛の生えたイキモノです。そ〜っと、通過していただければ、襲わないです。多分」

　このところ、日中の玄関付近は外気より暑いような気がするのだが、タラ、あなたケモノなのに大丈夫？ところで漢字の話だが、この場合、ケモノは獣とは書かない。毛物と書く。ネコは全身に毛がみっちり生えたケモノ。ケダモノじゃないのよ（うちのは時々襲うけどね）。キヌモノとかモメンモノとか言う場合のケモノ。人間に身近な二大動物のもう一方であるイヌもケモノだが、こちらはたいていの場合、お腹付近には地肌が出ている。ネコは全身、徹底的に毛が生えていて、表面で毛がないのは肉球と鼻くらいのもの。いいね〜、生きたヌイグルミ。ネコはタマタマまで毛糸玉ボンボンみたいなケモノ♪

　春頃に、タラが土日と祭日にはブラッシングをオットに強要するという話を書いた。ブラッシングへの執着はもう半年以上続いていると思う。もっと長いかもしれない。もはやブームとかいうレベルではなく、完全に生活習慣。とにかく、担当者のオットは朝食を食べた直後にリビングでのんびりしていることは許されず、必ずブラッシングタイム。シリコンブラシの脱毛パワーには恐るべきものがあり、毎回大量の抜け毛が生産されている。ま、こんだけ暑いからには、ケモノもウスモノにしたほうがいいかもね。

　････と思っていたら、ふと気がついた。タラの肩甲骨の間にうっすらと地肌が出現しとるやん！やっぱりね。ブラッシングのしすぎでハゲ（笑）。ケモノがまだらハゲになってどうするよ。猛烈に暑い夏が長引いているから、毛が少ないのは楽だと思うけど、永遠に夏ではないと思うよ。今年は秋が短くて、冬がドッと寒いとテレビが言っていた。それまでに冬仕様になれるかね？冬毛への生え変わりはいつ？さて、一応、気がついたことを担当者に報告。

　「タラ、肩がハゲになってんだけど、今度から催促されても、ちょっとだけブラシかけて、あとは遊んでやれば？」
　「う〜ん。じゃ、今度から腹を中心にブラシするとか？」

　担当者はブラシをかけるとき、そのストロークが常に肩からである。そのワンパターンがいけない。「今度は腹中心」って決めたら、そのうち腹がハゲて、タラネンコが腹だけ地肌の出るイヌみたいなケモノになるかもよ。ブラッシングの仕方、ニャンパターンか用意されたし。

[注]　タラのハゲは私の腕＋私のカメラではとらえ切ることができませんでした。

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