街で拾ってきたツアーパンフの中に、飛行機と宿とレンタカーを自由にセットできるものがあった。バラバラに予約するより格安プライスである。宿はパンフレットに掲載されている２１軒の中から選べて、ランク別に追加料金が発生する仕組み。パンフの細かい文字まで詳細に眺め、ガイドブックとネットでリサーチし、旅程の大枠を決めて予約を入れたのはゴールデンウィークの頃だった。

　その後、記録破りに暑い夏がやってきて、エアコン下で生きながらえながら、そろそろ旅のディテールを考えておかねばと思っていたら、「アドベンチャーワールドに双子のパンダ誕生」のニュースが！！パンダベイビーズは九月には一般公開してくれるだろうか？まだまだ小さくて無理だろうか？

　九月になっても猛暑は続いた。「旅行に行く九月下旬にはちっとは涼しくなっておくれよな」と祈りつつ、更に情報を収集し、プランを詰めて行く。見るべきもの、食べるべきもの、あれこれ、あれこれ。宿泊予定の三箇所のうち一つだけ、和歌山市の宿は夕食がついていないので、どこか外に食べに出ることになる。さて、どこに行ったものか？　

　ここで、私はネコネット友達が一人、当地に住んでいることを思い出した。うめきちママさん。三年前に新潟、黒部峡谷、渋温泉に行った後のクイズで見事に正解し、お土産の地ビールセットを勝ち取った人なので、私はそのビール発送時に個人情報をゲットしていたのだった。和歌山市在住だったよ、そうだったよ。この人にメールで尋ねてみよう。

　お返事メールが来た。私は和歌山の食事インフォメーションさえいただければ有り難いと思っていたのだが、彼女は旅行プラン全体を点検してくれ、「そこの駐車場はここが狙い目」「この観光スポットはお薦め」等のアドバイスをくれた。更に「和歌山滞在中はずっと携帯をONにしておきますから、何かあったら連絡してください」とのお言葉。ああ、和歌山はいい所だ。まだ行ってないけど、いい所だ。

　そして九月二十三日、出発の朝、東京は小雨模様だった。お天気情報を見ると和歌山も今日は雨らしい。日本列島の南東を北上中の台風の進路も気になるところだ。ともあれ、羽田空港に赴き、出発ロビーで搭乗を待つ。そこにアナウンスが・・・・。

　「南紀白浜行きは、まもなく搭乗を開始いたします。あらかじめ皆様にお断り申し上げます。南紀白浜空港は悪天候のため、着陸できない可能性があります。その場合、関西国際空港に着陸するか、羽田に引き返すことになります」

　はあっ！！