東シナ海側の海岸線に沿って南下するというのが、二日目の予定であった。 まず、「大浜海浜公園」へ。大きなヤシの木の向こうに美しい海が広がる絶景スポットであった。 次に「フクギ並木」を目指すが、なかなか見つからずウロウロ走っていたら、オットが「体調が悪い」と言い出した。 「筋肉痛がする」とか「だるい」とか言う。え？熱？でも体温計も持っていないし、今夜の宿からは相当遠いところにいる。 私のバッグに解熱鎮痛のイブ錠が二つだけあったので、不調な人に飲んでもらった。

　

　とりあえず運転を代わって、心配しつつも予定のコースを進む。 「徳浜の断崖」を見て、「田検のガジュマル」を見て、「アランガチの滝」を見る。 「高知山展望台」では駐車場から五分くらい坂を歩いて登らねばならないのだが、 オットは「車の中で寝ている」という。ここまで来たことだし、私だけ、展望台へ。 向かい側が加計呂麻島で、複雑に入り組んだ湾や海を見下ろすフォトスポットであった。 古仁屋の町並みや漁港も見える。休憩していたオットは「イブが効いてきた」と言うのだが、 ・・・ということは熱だったの？

　

　高台を降りて古仁屋の町に入ったら、マツキヨがあったので、イブ錠を追加で買う。 ここで昼ごはんを食べて「マリンビューワー」という水中が見られる遊覧船に乗るつもりだった。 港のお食事処に入ったものの、オットは食欲不振。遊覧船の係員さんが「今日は透明度が低くて、 海中が三割くらいしか見えません」と申し訳そうに言うので遊覧船は諦めた。

　 　奄美大島の南端まで来たことになるので、ここから北上をする。 天気はずっといいし、景色も素晴らしいのだが、助手席にぐったりした人がいるので、 心は曇ったままである。

　いくつか予定していたスポットをスルーして、 「マングローブ原生林」で車を降りて写真を数枚撮った。 マングローブは西表島でこってり見たことがあるし、こんなところで良しとする。宿に向かう。

　宿は名瀬の繁華街にあるビジネスホテルである。パンデミック三年目という時節柄、 玄関に入ったところに消毒液と体温計のスタンドがあった。オットが測定器に顔を向けると 「体温は正常です！」との甲高い音声。ふむ。熱はないのね。それともイブが効いてんの？あれ、 軽く咳をしてません？

　夕食は繁華街のどこかでと思っていたが、 出歩く元気が無さそうなので、ホテルのレストランで済ませることにした。 なんとか食欲は戻っているようだ。奄美名物の鶏飯を食べた。 私は私で、奥歯が一本、インプラント治療の途中なもので、 こういう流し込めるタイプの食事が嬉しいのであった。

掲示板へ 　目次へ　次へ