新型コロナが跋扈する世の中、感染症対策で「絶対やれ」と言われていることが、「マスク、手洗い、密を避ける」である。 しかし、「経済を回すために政府は旅行補助金出しますので宜しく」というのもある。 そこで、このbutで接続される二つの案件をクリアしてきた。

　マスクと手洗いは簡単な話だが、観光で密にならないにはどうすればいいのか？ふふ。 人が行かないところに行けばいいのだよ。疎を目指すのだよ。企画しました、 千葉県マイナースポット観光ｂｙ自家用車。

　2020年11月30日、月曜日の朝九時、カーナビを千葉県いすみ市にセットして出発。 ちょっと前にオットが新聞で「森鴎外の別荘がいすみ市にあって、 文豪はそこから海岸まで散歩することを日課としていた」みたいな記事を読んだと言う。 その記事は新聞から切り抜いて、そして無くしたという・・・。(-“-)

　うちにはなんでも無くす人がいれば、なんでも調べる人もいる。ふむふむ。 森鴎外の別荘は観光地ではない。看板も何もなく、中に入れるわけでもないらしい。 お！ネット上に「ちＢポ」という個人サイトを発見。「千葉の愛しきＢ級スポット」の略のようで、 ここに「鴎荘」についての丁寧な説明があった。記録のエントリーが十年以上前なので、 状況は変わっているかもしれないが、ここの情報を頼りに訪れることにした。

　いすみ市の三門（みかど）という無人駅に着いたのは11時半頃であった。 ここを起点に「ちＢポ」に書いてあるとおりに進み、「え？こんな狭い道を車で進入？」 とびっくりしつつも進入し、「ちＢポ」に「車はこのあたりに置く」と書いてあるあたりに、 「ええんかしら？」と思いつつも駐車して、歩き始める。

　静かなエリアだ。 まばらに建っている建物はどれもひっそりとしている。植物が生い茂っている。 誰とも出会わない。テクテク。歩き過ぎようとしたところを、「あれ？」と、立ち止まって二度見した。 「あ！！この白いフェンス！！ちＢポで見た！！」

　ちょっとだけ奥まったところに郵便受けがあり、 その下にＬ・ＭＯＲＩと書いてあった。森鴎外の三男、類さん（ルイ）の表札である。 この方も故人で、今は訪れる人もいないようだが、ありました、 白いフェンスの向こうに佇む白い洋館、これこそが森鴎外の別荘！

　そこから鴎外の好きだったという散歩道を海岸へと進んだ。途中、ちょっとした干潟があったりし、 人間が一人やっと通れる小径の向こう、あ〜、太平洋が見えた〜。 九十九里浜の一部が出現。ザザ〜ン。ドド〜ン。遠くに釣り人が一名いるだけの美しい弧を描く砂浜であった。 いいわ〜。来てみて大正解だわ〜。

　

　その後、「大原公園」に行ってみることにした。ネットのどこかに 「この公園の丘に登ると太平洋が一望できる」と書いてあったので。大聖寺前に車を置いて、歩いてみた。 案内板も何もないけど、あの小高いとこがそれだろうと、山肌の階段を登った。 頂上あたりに戦時中に供出されたが後に返還されたという「平和の鐘」があった。 そこから確かに太平洋は見えたが、低木が生い茂っているので、そんなに開けた感じはしなかった。もちろん誰もいない。

　

　丘から下りたら、柴犬がいた。飼い主のオジサンを引っ張って私に近寄ってきた。 いい顔をしていたので「凛々しい〜！」と感想を述べたら、飼い主さんが相好を崩して喜び、 ワンコに向かって「おい、凛々しいって言われたよ、よかったな〜。よかったな〜」。写真を撮らせてもらった。

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