８月末に北海道旅行をしようと計画を立て、申し込んだのは六月初頭だった。 レンタカーで北の果てを走るという企画の四年目で、大きい都市や人気観光地は含まない。

　２０２０年、コロナ禍は世界を覆っていたが、日本は過剰な報道のわりに、 重症者数と死亡者数が少ない。「これ、日本経済と、人心の健全化のためには、注意しつつも、 平常に近い行動を取るべきでないのか？」と考えるのが、我々夫婦なのであった。

　その後、インバウンドがゼロになった観光業界救済ということで、 国内旅行を奨励する政府のＧｏＴｏキャンペーンが始まることになった。 政府は国民に「旅行せよ」と言っている。 旅行会社を経由して申し込み済みの我々の旅費も、 後から大きくキャッシュバックされるという流れのようだった。 クレジットカードの支払い明細があればいいのかね？　あるよ。

　しかし、途中で、「東京都では感染者数が増えたから」という理由で、 都民だけがキャンぺーンから外された。 あの〜、隣の埼玉県民、神奈川県民、千葉県民への助成金は出すけど、 都民はダメって、それ、何？　 ずっとステイホームで我慢していたのは都民も同じ。 人口が多いから感染者の数字は上がるけど、人口比のパーセンテージで言うとどうなの？ 毎日東京都に通勤している首都圏県民と、何か明確な違いがあるの？

　が、考えてみると、我々の「行こう」という決断が、 そもそも「政府が補助金を出すから」という理由からではなかった。 毎年行く旅行と同じく、自前で行けばいいのだ。元々そうだったわ。

　飛行機は飛んでいる、宿は稼働している。平素、できる限りの対策を取って 真面目に行動している二人のオトナが、良識を持って お出かけをするので、放っといておいてください。

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