六月にタラが亡くなった。タラがいないことをメソメソ考えてもしょうがないので、注意を別の方に向けようと、この二点についてのプランニングを始めた。そしたら怒涛の展開になってしまった。

　北海道の旅程は九月中旬に三泊四日で考え、細かいリサーチは置いといて、とりあえずルートをあらかた決めて、宿と交通機関を押さえた。その後、リフォームの件を営業担当の女性と話していたら、こんなことを言われた。

　「配管更新を含みますと、洗面台、洗濯機、便器を一旦外さないといけません。その間、生活ができませんので、短期お引越しということになるんですが、実際のところ、大きなご不便は三日ほどで解消されます。ところで、ご旅行のご予定とかないですか？」
　「九月に三泊四日で北海道に行きます・・・」

　彼女の目がメガネの奥で光ったような気がした。まだ先のことと思っていたリフォームが九月に決定。工事で生活必需設備が使えなくなる工程を、予約した我々の旅程にぴったし合わせることとなった。

　八月は工事関連で決めないといけないことが多く、同時進行で北海道のリサーチもせねばならず、タラがいなくなったことは悲しいんだけど、悲しむ暇がほとんど無くなった。見積りと見本帳に攻め立てられながら、「るるぶ・北海道」をチラ見する。

　九月、出発前から私は疲労困憊していた。リフォームは旅行の一週間前から始まっており、ずっと大工さんだの電気屋さんだのが出入りしておられ、騒音とバタバタの中で暮らしているのだ。しかも工事の邪魔になるという洗濯機がしょっぱなから外されてしまい、洗濯物を抱えてコインランドリーに通うというオマケもあった。人間二人で、どうして毎日こんなに洗い物が出るのかわからん。

　ナニ？　台風１８号がこっちに向かっている？！大丈夫なのか、飛行機？　大丈夫なのか、私のメンタル？

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