第百六十一話  日本海へ 秋田+青森編 E

帰宅

 男鹿半島を一周し、秋田市に戻って来た。ちょっとお買い物をせねばならない。駅ビル内に、かなり広いお土産売り場があった。オットはオフィスの人々に何か、と探している。私はタラのお留守を見ていただいているTさん夫妻に感謝の印を、と考えている。

 売り場をグルグル回って、秋田の栗が入ったお菓子やら、日本海で採れた海草やらをカゴに入れ、最後に、ネーミングだけで購入決定したのが、「タラーメン」。鱈のしょっつるが入っているらしい。秋田でよく使われている調味料、しょっつるは、魚醤の一種である。

 レンタカーを返却し、新幹線「こまち」に乗ったのが、五時頃で、家に着いたのが、九時過ぎ。さっきまで秋田だったのが、もう東京。新幹線は偉大だ。

 タラは平常心でのお出迎えであった。飼い主が三日いなかった件は不問に付すようだ。タラ記録用ノートを開けてみると、Tさん夫妻による書き込みがあり、食事量はいつもよりやや多く、排泄は通常、ゲロもなし。Y子さんからのメモ書きが添えられていた。

 「タラちゃん、スリスリしてくれました〜」

 どうやら、タラ、TさんとY子さんへの警戒心が緩んでいる模様。ネコを良く理解する人に頼めて本当に良かった。楽しい旅行も信頼のおけるお世話係がいてこそ。ありがたや、ありがたや。

 翌日、鍵を返しに来たTさんに、お土産を渡す。狙い通り「タラーメン」がウケた。私も自宅用に買ったタラーメンを作ってみた。お、まずまずイケてる味やん。タラの健康もまずまずイケているし、タラ、私ら、次も旅行にイケる?

 

2016年10月16日