ずっと天候に恵まれていて今日も暖かい。ホテルを出て、小豆島スカイラインを通って 「寒霞渓」方面へ向かった。前日はずっと海岸沿いの道だったが、今度は山側。 「美しの原高原」にある「四方指大観望」で車を停め、標高７７７メートルからの景色を眺めた。 四方指（しほうさし）という名前からわかるようにぐるりと小豆島及び周辺の海、 対岸の四国等を見わたすことができる。穏やかな天候で暖かく、 見晴らし抜群なのに、観光客ゼロが不思議だった。

　そこから近いところに「寒霞渓ロープウエイ」の乗り場があった。 寒霞渓は日本三大渓谷美のひとつだという。たまたま山頂駅に来てしまったので、 渓谷の紅葉を眺めながら谷底に下り、 また上って駐車場に戻った。小豆島はビーチサイドとマウンテンサイドが全然違っていて面白い。 こちらは観光客が多くて賑わっていた。

　今、日本が中国から因縁をつけられていて、中国人観光客、特に団体旅行は来ないらしい。 なので、マナーが惨い中国人を目にすることはなかった。それでも中国語を話す人達はいたが、 きっと台湾あたりからの人なのであろう。

　山を下り、海岸沿いに戻って、「小豆島オリーブ公園」へ。 ここはオリーブ畑の一部を観光施設にしてあった。 オリーブオイルをあしらったランチを食べてから園内を散策した。

　白くて大きなギリシャ風車があるエリアでは 、観光客がホウキにまたがってピョンピョン飛んでいた。この丘でジャンプして、 浮いたタイミングでシャッターを押して、空飛ぶ魔女の写真を撮るという趣向。 ピョンピョンしている人達を見ていると、なかなかタイミングが合わないらしいが、楽しそう。

　そろそろ干潮の時間に近いので、エンジェルロードに戻った。 白いサンドバーが出現していて向かい側の小島に渡ることができた。 さっきまで海の中だったわりにしっかりとした踏み心地の砂浜だった。 渡ったところの木々にハート型の絵馬みたいなものが沢山くくりつけられていた。 書いてあることはだいたいラブ関連。砂州の手前にある小高い丘の頂上は「 恋人の聖地」と名付けられており、当然のように鐘が設置されている。 このパターンは全国ネットだ。

　フェリーまでの時間がまだあるので、 調整と休憩に「オリーブ温泉」に立ち寄った。 複合的商業施設の中にある立派な温泉で、露天やらサウナやら泡風呂やら、 なんでもあった。お客は地元民が中心な感じ。 休憩所で冷たいものを飲んだりして一息ついてから、土庄港へ。

　土庄からのフェリーも予約済み支払い済みだったが、 アクアが四メートルを五センチ超えているせいで、また追加料金を払う。 五センチ分が１７６０円に穏やかならざる心だが、 海は穏やで岡山方面へと船は進む。本土が近づいて来た。 左手に見えてきた大きな橋に「あ。瀬戸大橋！」と言ったら、 実は児島大橋だった。フェリーを降りる。

　新岡山港から30分ほど走って岡山駅西口のレンタカー屋にてアクアを返し、 新幹線で東京に戻った。林立する高層ビル、電車に満杯の通勤客、 ネオンギラギラ。のどかな瀬戸内から戻ると落差がすごい。

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